Farm to Table つくばについて 地産地消 美味しいつくば産 特集 編集部コラム
  • ホーム
  • 特集
  • スペシャリテ
  • 近くて便利、近くて新鮮、地産地消に取り組むコンビニエンスストア/セブンイレブンつくば東2丁目店

近くて便利、近くて新鮮、地産地消に取り組むコンビニエンスストア/セブンイレブンつくば東2丁目店

# スペシャリテ

地域で生産されたものを、その地域で消費するのが「地産地消」の取り組みです。生産者との距離が近く安心感に繋がることや、地域経済の活性化に寄与できること、そして何より産地から食卓に届くまでの時間が短く「新鮮な野菜」を食べられること、など多くのメリットが挙げられます。市民にとってより身近なコンビニエンスストアで「地産地消」に取り組んでいる、セブンイレブンつくば東2丁目店を取材しました。

セブンイレブンつくば東2丁目店オーナー・関保明さん

【地域の生産者を応援するコンビニエンスストア】

朝から夜までオープンしており、食品や日用品を購入できる便利なコンビニエンスストアは、今や私たちの生活に欠かせない存在です。出かければ必ず見かけるほど、つくば市内にも多くのコンビニエンスストアがあります。各チェーンにもよりますが、店舗ごとに品揃えや陳列に違いがあり、各店それぞれ消費者のニーズを捉えているのもポイントです。
つくば市内に数あるコンビニエンスストアの中でも、「地産地消」に積極的に取り組んでいる店舗があります。2023年1月25日にオープンしたセブンイレブンつくば東2丁目店は、つくば市産の農産物を仕入れて店頭販売しています。オーナーの関さんにお話を伺いました。
「オープンする際に、目を引く企画になればと思って1ヶ月ほど地元生産者の農産物を販売してみたところ、予想以上の反響があって驚きました。普通のコンビニでのお買い物のついでに、農産物も一緒に買ってくれる人が多かったんです。こんなに需要があるんだ、と思って、それならばと継続してつくば市産の農産物を販売することにしました」と関さん。つくば市産農産物に着目した理由を伺うと、「単純に、新鮮なものって美味しいよね、という個人的な気持ちからです。当店だけでなくコンビニ業界全体の流れとして、生鮮農産物の販売をしているお店が増えてきています。そんな中でも、採れたての地ものがコンビニに並んでいたら嬉しいかなと。それに、これから先の未来のことを考えて、地域の生産者を応援したい、地産地消に取り組みたいと思ったんです」と、その想いを話してくれました。また、この考えはセブンイレブン本部の理念とも合致していると関さん。「セブンイレブン本部は、『地域と共に生きる社会を実現する』ことを目標のひとつに掲げています。社会問題の解決には地域社会との連携が重要と考え、地域に密着し住みやすい街づくりに貢献するための取り組みを行っています。地域の優れた原材料を地元で使用する『地産地消』の取り組みも行っており、地元産食材を、地域の工場で製造し、地域の店舗で販売し、地元のお客様に購入していただくことで『地域創生』にも貢献できていると考えています。地域食材を使用した商品をその地域で販売することは、フードマイレージ(※)の減少にも繋がります。また、生産者の方々や行政とも連携することで、フードロスの削減や生産者応援などにも結びついています」といいます。

※フードマイレージ=食料の輸送にともなう消費エネルギー量のこと。食品の重さと輸送距離をかけた数で表され、大きいほど環境負荷が高い。

 

お店に入るとまず農産物コーナーの前で立ち止まる人が多いそう。陳列にも工夫を凝らしています

【地元のJA直売所でオーナー自ら仕入れる】

実際にお店を訪れると、入り口すぐの目につきやすい場所に農産物コーナーが設けられています。大根、こまつ菜、ほうれん草、ネギにしいたけ、トマトにスナップえんどう、米などなど……「つくば産」と書かれた手書きのプライスボードがずらり。週に2回程度、関さんが自分で仕入れて店頭に並べているそうです。
「地元の野菜を販売したいと思った時に、市農業政策課にも相談しながら、最終的にJAつくば市谷田部さんの農産物直売所から仕入れる方法を開拓しました。セブンイレブン本部は、食の安全・安心、商品の品質に特に厳しいですが、地元のJAさんということで安心と信頼があり、販売が可能になっている面もあります。月曜日と木曜日の朝に仕入れることが多いですね。直売所に足を運んで、自分で選んで、購入してきたものを当店で販売しています」と関さん。奥様の実家が神栖市でピーマン農家を営んでいることや、自身も直売所が好きで興味があったことから、楽しみながら取り組んでいるといいます。
仕入れる農産物は、関さん自身の目で鮮度と値段を見極めて購入。限られたスペースの中で幅広い種類の農産物を並べたいと、約20種ほどを仕入れています。中でも早春の売れ筋は大根と長ネギだとか。「長ネギは年間を通して大変人気なので、ほとんど切らすことなく販売しています。つくばのネギは、太くてしっかりしていて美味しいと評判ですよ。定番だけでなく旬のものも入れたりしながら、販売品目が同じにならないようにしています。自分が選んできたものを手に取ってもらえると、やっぱり嬉しいし面白いですね」と関さん。店舗運営との両立は大変ですが、オーナーだからこそできる醍醐味でもあると話します。

関さんは道の駅が好きで、あちこち見に行って参考にしているとか。目指すは小さな道の駅です

【地域のニーズを捉え地産地消を推進】

オープンから1年、関さんの仕入れるつくば市産農産物はとても好評で、毎回すぐに完売してしまうというから驚きです。そのおかげで品物の回転も早く、常に新鮮なものを並べられることも評判を後押ししていると考えられます。「おかげさまで、並べた農産物は毎回ほぼ残らず売れるという状況です。当店は住宅街の中にあるので、年配のお客様にも多くご利用いただいています。わざわざ大通りに出るよりも手近な場所にあるコンビニで新鮮な野菜が買えて良い、というニーズもあると思います。また、大きな研究所もすぐ近くにあり、その職員さんも出勤前後に野菜を買ってくれたりしているみたいです。JA谷田部さんの直売所は品揃えも鮮度も良いので、そのおかげでもありますね」と関さんも話します。
また、同店は「やさいバス」の停留所にもなっており、そのルートを通じて農産物を仕入れることもあるといいます。やさいバスとは、地域の生産者と消費者を直接結ぶサービス。消費者が生産者の出荷する新鮮な農産物等をインターネットで注文すると、やさいバス(配送車)がエリア内の停留所(集荷場・配送場所)に届けるというシステムです。「これまでにトマトやごぼう、サツマイモなどを近郊の農家さんから購入して販売しました。顔の見える安心感や鮮度に加えて、市場で農産物の価格が高騰している時期でも価格が安定しているのもやさいバスの利点だと思います」と関さん。お客様になるべく手に取ってもらいやすい価格で提供したいというのも、関さんのこだわりです。
「つくば市は科学の先端の街ですが、一歩外側に行くとビニールハウスがいっぱいあって、生産者もたくさんいます。そういう環境が身近にあり、農産物を食べるまでや、食べたあとのことを考えられる場所でもあると思います。そんなつくば市の豊かな食の魅力を伝えながら、お客様に少しでも喜んでいただけるよう、手間をかけてでも、地元の美味しい野菜を販売していきたいです」と語る関さん率いる同店は、つくばの地産地消へ情熱を燃やします。

「自分で食べてみて、良かったら仕入れに反映することもあります」と関さん。いつかは自分でも野菜や果物を作ってみたいとか

取材協力:
セブンイレブンつくば東2丁目店
つくば市東2丁目1番地1

一覧へ戻る