Farm to Table つくばについて 地産地消 美味しいつくば産 特集 編集部コラム

茨城県青果物銘柄産地指定つくばねぎを育てる人/つくばねぎ生産者 岡野博之さん

# 育てる人(農家)

茨城県青果物銘柄産地指定を受けているつくば市のネギ。市南部の茎崎エリアを中心に栽培され、県内のみならず首都圏に出荷されています。JAつくば市ねぎ部会では、一年を通して途切れることなく出荷する「周年栽培」を実現。ネギ部会に所属しており、市内の人気ラーメン店からも愛用されるつくばねぎ生産者の岡野さんに伺いました。

JAつくば市ねぎ部会で毎年新しい品種にも積極的に取り組む岡野さん

【美味しいネギを一年中届けます】
つくば市の南端に位置する旧茎崎地区でネギ栽培を専門に営む岡野さん。ネギはつくばで唯一、県銘柄産地指定を受けている野菜です。温暖な気候と平坦で水はけのよい茎崎地区はネギづくりの好適地。この一帯だけでも30軒を超えるネギ農家があり、日々研鑽しながら美味しいネギづくりに励んでいます。
岡野さんは父親から農地を受け継ぎ、奥様とふたりで農業に取り組んでいます。つくば市のネギ栽培の特徴について、まず伺いました。
「私たちつくば市ねぎ部会の一番の特徴は、春夏秋冬切れ目無く出荷を行う周年栽培に取り組んでいるところですね。ネギは数え切れないぐらい多くの品種があります。春ネギ、初夏ネギ、夏ネギ、秋冬ネギ、冬ネギ……といったように、それぞれの時季に適した品種を育てて出荷しています」(岡野さん)
例えば、夏は暑さや病害虫に特に強い品種。生育中に台風の時季を含む冬ネギは、緑葉の部分があまり伸びない強風耐性のある品種など。全国数ある種苗会社がより良いネギの開発に勤しんでおり、毎年のように新たな品種が登場しています。岡野さんも、新しいものが出来れば積極的に試験栽培を行っているそう。
つくば市ねぎ部会では安定した出荷体制と品質を保つため、栽培技術や推奨品種を部会内で共有しています。また、白い部分の最低の長さなど独自の出荷規定を設けており、年に2回の目ぞろえ会で各農家が規定を確認。しっかりした品質基準を保つべく取り組んでいます。だからこそ、つくばのネギは品質が良い、と自信を持って皆さんにオススメできるのです。

つくばねぎの特徴はなんといってもその太さと白味部分の長さ!よその規格よりも1段上の太さです

【ネギ作りは土作りから】
一年中スーパーで見かけるネギ。いつでも美味しいネギを手に取れるのは、農家さんのたゆまぬ努力あってのことです。周年での安定供給、そしてどの時期でも変わらぬ美味しさを実現するため、岡野さんが重要視していることはどんなところでしょうか。
「第一に土づくりですね。ネギを台無しにしてしまう病害を発生させないために、健康な土壌になるよう気をつけています。堆肥も使いますが、うちでは、一年ネギを作ったら次の一年はその畑を休ませる。休耕期は緑肥作物を入れています。窒素循環の役割も果たしてくれますから」(岡野さん)
緑肥作物とは、農作物を作付けする前に田畑で栽培し、そのまま一緒に耕して土の栄養素にするもの。養分になるだけでなく、病害菌や虫の防除効果や雑草発生の抑制効果も期待できるのだそう。それが減農薬にも繋がっていくわけです。
また、つくば市ねぎ部会では全員がエコファーマーの認定を取得している。エコファーマーとは、「持続性の高い農業生産方式」を導入する計画を作成し認証された農業者のこと。持続性の高い農業生産方式とは「土づくり」・「化学肥料低減」・「化学農薬低減」の3つの技術を一体的に取り組むもの(茨城県HPより)。安全・安心はもちろん、環境にも優しいネギづくりを行っています。

収穫後すぐに出荷用にネギの皮むき。つくばネギは3本ひと束にまとめられ美しく仕上げられます

【甘くてシャキとろの食感】
ちょうど収穫期の岡野さんのネギ畑を見せていただきました。こんもりと土が盛られた畝に、みずみずしい緑色の葉が並んでいます。ネギは成長するほどに土を高くかけられます。土をかけられ日が当たらない部分が白くなり、柔らかく身の詰まったネギとなるのです。
近くに立つだけでほんのりと漂うネギの香りは、少し甘さを含んでいるようにも感じます。新鮮なネギの美味しさをより楽しむためのポイントを岡野さんに伺いました。
「やっぱり、火を通して食べるのが美味しいと思います。焼いたり、煮たり、加熱することでより甘くなるので。シンプルに焼きネギ、美味しいです。お肉との相性も抜群なので、一緒に炒めて食べたり。外はシャキシャキで、中がトロッとするのもいいですね」
岡野さんの奥様オススメのネギレシピは「ネギの豚バラチーズ巻き」。食べやすい長さに切ったネギを、チーズと豚バラ肉で巻いて焼きます。味付けは塩コショウや焼肉のタレなどお好みで。簡単に作れますが、岡野さんも「あれは美味しいね」と太鼓判を押す一品です。
岡野さんのネギは、部会を通じて各地の市場に出荷されています。市内スーパー等でも、つくば市産のネギを目にすることが出来るはず。また、市内に構える人気ラーメン店でも岡野さんのネギが使われているそうです。
最後に、ネギは基本的に日持ちが比較的長めの野菜ですが、夏場は注意したいと岡野さん。そんな時期こそ、地元農家ならではの鮮度の良さをぜひ活かしてください。

美しいつくばねぎを育てるために畝を高くもりあげた岡野さんの畑

和食、中華、洋食など様々な料理で活躍する万能食材のネギ。今日も明日も明後日も、皆さんの食卓に並べてほしい逸品です。

 

つくばねぎに関するお問い合わせは…

JAつくば市南部営農経済センター
TEL 029 (857)3115
茨城県つくば市東岡 335
http://www.ja-tukuba.jp/

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