Farm to Table つくばについて 地産地消 美味しいつくば産 特集 編集部コラム

地元産野菜の美味しさを教えてくれるお店/カフェ&レストランバスティーユ  シェフ・下野剛さん

# 料理する人(お店)

つくば市内で「美味しい野菜を食べることが出来るレストラン」の代表格がバスティーユです。有機野菜や無農薬栽培にこだわり、市内契約農家から届く新鮮な素材と自家菜園で採れたての野菜をたっぷり使ったメニューを食べられます。オーナーシェフの下野さんに、お話を伺いました。

 

【美味しくて安心・安全が一番】

つくば市の南部、圏央道つくば牛久インターチェンジからほど近い場所に構えるバスティーユ。住宅街の中にひっそりと佇む、緑に囲まれたログハウスが目印です。2017年にこの場所へ移転オープン。その前は、市内金田でも約10年間営業していました。当時から長く通っている常連客も多いそうですが、「県外からのお客様もいらっしゃいます。都内や千葉、埼玉、栃木など。たまたま通りかかるような場所ではないので、お店の情報を調べてわざわざ足を運んで下さる方が多いです」と下野さん。では、バスティーユの人気の秘訣はどのようなところにあるのでしょうか。
ランチメニューを開くと、まず目に飛び込んでくるのは彩り豊かなランチプレート。常陸牛のハンバーグをはじめ旬の肉・魚料理やステーキから選べるメイン料理と十五穀米、そして野菜サラダがひと皿に盛り付けられています。特に目を引くのがカラフルな野菜!みずみずしい新鮮野菜がたっぷり使われていて、見た目から食欲をそそられます。バスティーユで使う野菜はどれも下野さん自身が納得して選んだ安心・安全なものばかり。つくば市内の契約農家3軒から届く有機野菜や無農薬・減農薬野菜、そして店舗の近くで下野さんが作る自家菜園で採れたての素材です。
「前のお店の時からずっと畑をやっているので、自家菜園歴はもう10年以上になりますね。農家さんにお願いしているのとは別の野菜や品種を選んで作っているので、うちの畑は変わった野菜が多いです。例えばトマトなら黄色や紫など違うものを5種類。彩り鮮やかになるので、目でも楽しんでもらえますよね。農薬を使わずに全部一人で世話しているので、お店の営業の合間を縫って作業しています。忙しいですけれど、素材づくりから調理まで全て自分の手でやれるのはとても楽しいです」(下野さん)

その日の新鮮野菜をふんだんに使ったランチプレート。見た目から心躍ります!

【百聞は一見にしかず】

下野さんが「無農薬・減農薬」にこだわるようになったのは、自身で野菜作りを経験したことがきっかけでした。
「自分の手で畑を世話するようになって、慣行栽培はこんなに農薬をたくさん使うのかと驚きました。だから手間はかかりますが、私の畑は無農薬で作っています。もちろん、品目によっては完全無農薬で作るのが難しいものもあるのですが、身体に入るものだから、なるべく農薬を使っていない方が安心できますよね。例えばレモンは、輸入品はすごくたくさん農薬が使われていたりするのですが、バスティーユで使っているのは市内で栽培されたものです。特にレモンは果汁だけでなく皮も使う機会が多いので、安全性はすごく重要です」。
また、契約している農家さんへ直接足を運び、畑なども見せてもらうそう。自分の目で実際に確認することで、お客さんに対しても「この素材はこんな風に育てられている」と明確に伝えることが出来ます。さらに、生産者に直接話を聞くことで、様々なヒントも得ることが出来ると下野さん。
「谷口農園さんにもアイデアをもらいました。アスパラガスは、出始めは柔らかく独特の香りが控えめなのでサラダなどなるべくフレッシュな状態で提供。シャキシャキした夏のものはフライやパスタにしてみたりと、旬ごとの風味に合わせた調理法を選んでいます。フレンチでは、アスパラガスのムースやポタージュが定番なんですが、谷口さんのアスパラガスと出会ってあまり手をかけずにシンプルな料理で提供するのも良いと発見しました」。
そして、直に足を運べる距離の市内農家と契約する利点は何よりも「鮮度」。仕込みに加え、自家菜園の世話がある下野さんの一日はとても忙しいため、各農家さんが鮮度抜群の状態で店まで野菜を届けてくれるのが大きなメリットになっています。

お米は市内の福田農園と契約。精米したてで配達してくれるそう。

【野菜って美味しい!】

肩肘張らないカジュアルな雰囲気ながら、フレンチ・イタリアンの基本をきちんと抑えた本格派の味を提供するバスティーユ。若い女性から家族連れ、年配まで幅広い客層が訪れています。
お客さんから「野菜が美味しい!」という声を聞くことが出来るのが嬉しいと下野さんは話します。大人だけでなく子どもからも好評で、谷口農園のニンジンを使った自家製ドレッシングは「ニンジン嫌いの子どももこのドレッシングは食べられるんです」という嬉しい言葉をもらうこともあったそう。
バスティーユでは、有機野菜を積極的に使用しています。そもそも有機野菜とは、農林水産省が定めた有機JAS規格の条件を満たして栽培された野菜のことを言います。大まかには、農薬や化学肥料を使わず、堆肥などの有機物を肥料として用いることや、遺伝子組み換え技術を利用していないことなどが認定条件に挙げられます。自分たちにも、自然環境にも優しい有機野菜。さらに、有機野菜は味にも違いが出るといいます。
「有機野菜はエグみが少ないんですね。加熱せず生で食べると、敏感な人はすぐに分かると思います。一度食べ比べてみてください」。
美味しくて、安心。そんなバスティーユの料理を愛するファンが多いことに納得です。

最後に、下野さんにつくば市の野菜作りについて伺いました。
「自分でも作っていて実際に感じるのですが、野菜作りをしやすい場所だと思います。気候も土壌も良いですし、農業を始める環境も整っている。県外からも就農しやすいのではないでしょうか。谷口さんはじめ、つくばでチャレンジしている若い農家さんもいらっしゃいます。総合して、とても良い場所だと思いますよ」。
そんなつくばで大切に作られた安心・安全・美味な野菜にこだわる下野さん。皆さんも、ぜひ足を運んで味わってみて下さい。

人気のにんじんドレッシングは店頭でも販売中。収穫期には、下野さんの農園野菜も販売しています。

気の置けない友人とのランチ、仕事仲間とのリフレッシュタイム、家族とのとっておきディナー。いつでも元気になれる、笑顔がこぼれる食事を楽しめる場所です。

カフェ&レストラン バスティーユ
TEL : 029-811-6098
つくば市高見原2-10-82
営業時間 : 11:30~18:00(L.O14:00)
定休日 : 月曜日 第2火曜日(祝日の場合は変更)
現在ディナータイムはお休みしております

一覧へ戻る