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地産地消認定店舗がオリジナルグルメでつくば市の農産物をPR!まつりつくばで「Farm to Tableつくば Market」 を初めて開催しました

# スペシャリテ

本場青森県に次いで国内No.2の規模を誇る「つくばねぶたパレード」をはじめ、つくば市の夏を華やかに彩る風物詩「まつりつくば」。国内外から毎年40万人以上が来場する一大イベントで「Farm to Tableつくば Market」が初開催されました。つくば市民発の農業活性化プロジェクト「ワニナルプロジェクト」のプロデュースにより大清水公園で開かれた同マーケットでは、つくば市の地産地消認定店が滋味あふれるオリジナルメニューの提供を通じて、新鮮で豊富な地元農産物の魅力を発信しました。

大地からの贈り物である多彩な農産物を有するつくば市。
採れたて野菜や果物などの特長を生かし、その旨味を存分に引き出す料理を提供する地産地消認定店は市内に165店舗あります(2024年8月25日時点)。
今回は多くのつくば市民が集う祭り会場で、各店のこだわりを反映したメニューを味わいながら地元の農産物をより身近に感じて貰おうと、和食、洋食、中華、農園カフェなど代表的な認定店4店舗と、つくば市の農産物を販売する1店舗の計5店舗が出店。各PRテントはつくばが誇る地産地消グルメを求めて、多くの人出で賑わいました。

【他県出身の筑波大生が見たつくばの農】
日本三大ブルーベリー産地であるつくば市。
市内の上郷地区にある「アオニサイファーム」は、都内を拠点に広告デザイナーとして活躍していた青木真矢さんが、芝農家を営んでいた妻の実家の畑を受け継ぎ、40歳で新規就農して2023年にオープンしたブルーベリー観光農園です。
気候や生育状況に合わせて肥料を配合する〝独立適応栽培〟によってひと苗ごとにポットで育てた23品種、約900本のブルーベリーは、大粒揃いで甘みと酸味のバランスが絶妙と評判です。
まつり当日は農園カフェで人気のブルーベリーの果肉ががたっぷり入ったブルーベリーフィズだけでなく、同イベント限定の新メニューが登場しました。
その名も「超超超超野菜盛りやきそば」。
使用している野菜は、上郷地区の農家が丹精込めて育てたピーマン、ナス、アスパラガスなど。インパクト抜群のネーミング通り、大きめにカットされた野菜が山盛りの食べ応え充分な一品です。
野菜本来の旨味が決め手となるこの焼きそばは、同農園と筑波大学生のコラボメニュー。
参加した筑波大生の田邉渓太さんと筑波大学院生のキム・ヨンテさんは、学生団体を通じてつくば観光コンベンション協会などで地域活動を取り組んでいた中、青木さんと意気投合。ともにつくばを盛り上げようと画策していた中、今回は満を持してタッグを組みました。
二人とも大学進学を機に、つくばとの縁がつながった他県出身者。キムさんはつくばに来る前は、食に関するイメージはあまりなかったと言います。
「大学や駅の周辺はいわゆる研究学園都市の印象が強かったのですが、少し郊外に行くと当たり前に田畑もあるんだなと驚きました。都市部からパッとすぐに色んな農家さんの新鮮な野菜にアクセスできるのって、とても良いですよね。それを生かしたメニューにしたいと思いました」と野菜メインの焼きそばを考案したのだそう。
一方、田邉さんは農作物を通じて、青木さんのようなユニークな経歴を持つ生産者の魅力も伝えたいと話します。
「知れば知るほど個性あふれるストーリーを持つ面白い農家さんが多いと感じています。僕らが作った焼きそばを通じて、そんな農家さんを知るきっかけになってくれたら嬉しいなと思っています」

鉄板で焼き上げた野菜の表面はカリッと仕上がり、中はホクホク食感。ギュッと素材の旨味を凝縮
上郷地区の新鮮野菜が主役の「超超超超野菜盛りやきそば」
「今回のコラボは第一歩。これからもつくばの食を盛り上げたい」と話すキムさん(写真左)と田邉さん

 

【料理家の背中を押した〝推し野菜〟】

旬の地場野菜を多く使用したデリ、米麹や醤油など体に優しい調味料、丁寧な暮らしに彩りを添える食器や生活雑貨を販売する他、キッチンスタジオやイベントスペースも併設する「小匙惣菜店/Cosaji」。
多数のメディアに出演中で、料理に関する著書も多く手がけているつくば市在住の料理家・河井美歩さんのライフスタイルブランド店です。
そんな「小匙惣菜店/Cosaji」は、CAHAYA FARMのルバーブ、木戸苺農園のイチゴ、市川農園のミントのオリジナル麹シロップを使った、夏祭りにぴったりなかき氷やドリンクを中心に提供。果肉感も味わえる爽やかな品々は、厳しい残暑の中で涼を求めていた人々の身体を優しく冷やしていました。
ワンハンドで手軽に食べられる軽食もあり、登坂農園のナスなど地場野菜を贅沢に盛り込んだベトナム風サンドウィッチのバインミー、松田農園の紅はるかを使った焼き芋のクロワッサンサンドが次々とテイクアウトされていました。
海外生活の経験もあり、国内外の多彩な食文化や食材を触れてきた河井さん。そんな料理家への道を後押したのは、実はつくばの野菜だったと言います。
「つくばに来たら、野菜の鮮度がすごく高くて、安くて美味しくて、ビックリしちゃったんです。当時は料理教室に勤めていたのですが、『これを自由に使って、野菜中心の料理教室を自分で始めてみよう!』と独立するきっかけになりました」
市場になかなか出回らない珍しい品種の野菜を生産する農家も増え、河井さんはますます広がりを見せるつくばの食に魅せられているのだそう。
「都内での撮影の際も、必ずバッグいっぱいにつくばの野菜を詰め込んで持っていくんですよ」
自身の人生を変えた〝推し野菜〟とともに歩みながら、今も新しいレシピを次々と生み出しています。

「つくばの野菜はすごく魅力的です」と市内在住歴16年の河井さん。
厳しい残暑に包まれた会場内に涼を届けたオリジナルシロップのかき氷やドリンク
シャキシャキの野菜の歯応えも楽しい夏季限定バインミー。つくば産紅はるかの甘みを生かしたクロワッサンサンドはまるでスイーツのよう

 

【中華料理も相性抜群】

「中華料理とつくばの農産物の相性はすごく良いですよ」。
そう話してくれたのは、「百香亭本店」代表取締役の沼田香余さん。
四半世紀の間、つくば市内をはじめ、県南中心に展開している家庭的な中華料理店のコンセプトは医食同源です。
食べるものと薬になるものの源は一緒。普段の食で体調を整えて健康増進することを重視した料理の数々には、創業当時からつくばの野菜がふんだんに使用されています。
「その土地で実ったものを旬の季節に食べることは、その土地に住んでいる人間の身体に合う。地産地消することは、理にかなっているのです。そのことを多くの皆さんに紹介したいなという想いです」と強調しています。
PRブースでは、店舗で人気の高い牧島勝彦米店の米を使用したチャーシュー炒飯や台湾薬膳八宝粥、松田農園のピーマンや人参を盛り込んだ焼きそばの他、みんなでシェアできるオーガファームの長ネギを具材としたエビ小籠包、春巻き、シューマイが来場者らに大好評でした。
地産地消を積極的に取り入れているのは、医食同源の観点だけではありません。本場中国から招いた料理長やスタッフ達が、つくばの農家や農産物のクオリティーを認めていることも理由です。
「国内外から厳選素材を仕入れていますが、料理長らがつくばの食材の味や品質を認めて採用することが多いのは事実です。それに加えて、つくばの農家の方々は、すごくフレンドリーな方が多い。中国人スタッフ達とも上手くコミュニケーションを取ってくれて、人柄の良さも実感していると思います」
日本の〝人種のるつぼ〟とも言える国際色豊かなつくば市。気さくで親しみやすい生産者の方々や確かな品質や味を持つ農産物が、人々をつなぐ架け橋の一つとなっているようでした。

「つくばの食材がたくさん味わえる店とPRしたいです」と沼田さん
台湾出身の創業者直伝で、皮から手作りしている小籠包。つくば産の長ネギが旨味を引き立てます
つくば産の食材をもっと楽しめる台湾薬膳料理店を今年10月末市内にオープン予定

 

【和食で伝えるつくばの魅力】
「いなりとお赤飯 ろはん」は豊里の杜の住宅街にあるいなり寿司やお赤飯をメインに、おはぎやお持ち帰り用パフェ、かき氷などの甘味など、心をこめた縁起物の商品を提供している小さな和の手土産フード店です。
当日、来場客が次々と手にしていたのは、名峰筑波山をイメージした自慢の逸品「お山のかたちのおいなりさん」。金胡麻をたっぷりの程よい甘みの酢飯を詰めた慶事のお祝いにも喜ばれるいなり寿司です。
そのこだわりは、つくば市のブランド米・北条米を使用していること。
北条米は戦前には皇室献上米とされた高品質な特別栽培米のコシヒカリで、粘り気と弾力が絶妙です。
店長の川渕明日香さんは「お米自体に変な癖がなく、素材の美味しさがあるんです。白米でそのまま食べてもすごく美味しいのですが、酢飯にもすごく合うんですよ」と笑顔で話します。
付け合せの青紫色のガリは、新生姜にアオニサイファームをはじめ、市内各地の農園のブルーベリーで色付けしたもの。一見、生姜とブルーベリーはあまり結び付かない食材ですが、意外と相性が良いのだとか。
「実験的にガリを色々と作ってみたところ、つくばはブルーベリーの産地ですし、色付けに使ってみたらどうかな?と挑戦してみたら、見た目もキレイでなかなかいいんじゃないかと思って。お客様にも大変好評をいただいて、定番になっています」
都内や関西、海外で暮らしていた川渕さんは、子育てを機に茨城に戻ってきたUターン組。
県外での生活を経験したからこそ見えた、つくばの住環境の豊かさを肌で感じています。
「地元の役に立ちたいんです」。地元が誇る食材に、その熱い想いをじっくり込めて届けています。

子どもから大人まで幅広く愛される和食でつくばの食の魅力を伝える「いなりとお赤飯 ろはん」
店舗でも定番人気の「お山のかたちのおいなりさん」。冷めても美味しい北条米が美味さの秘訣
「茨城が魅力度最下位なんてことはない。つくばの美味しい食材で街を盛り上げたい」と意気込む川渕さん
アオニサイファームの青木さんが代表を務めるワニナルプロジェクトは、市内11カ所の農園が旬の農産物や加工品を販売

 

和洋中どんなジャンルの食にもマッチして、〝おいしい〟が集まるつくばの農産物。
街の人々が通い詰める地産地消認定店でプロの味をじっくり味わうのも良し。好きな素材をチョイスして調理して自宅でまったりと堪能するのも良し。
豊かな土壌で育まれ、採れたばかりの新鮮な食材は、楽しみ方がいろいろです。

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