実は、つくば市は皇室献上米として納められていた米の産地でもあります。筑波山麓の市北部には筑波北条米や常陸小田米など、寒暖差を生かした滋味あふれる食味に優れた米が、市南部では牛久沼を背に豊かな水資源と平地を活かしたコシヒカリを中心とした癖のないふっくら炊き上がる粒の大きな米が栽培されています。また、最近人気のあるミルキークイーンやふくまるなど先端的な品種を積極的に取り入れているのもつくば市産の米の特徴の一つ。同じ市内でも個性豊かな米を楽しめるのは筑波山や牛久沼という恵まれた自然を有するつくば市の特徴です。

ネギ

つくば市の根深ネギは、茨城県銘柄産地指定を受けており、市が誇る逸品です。銘柄産地指定制度とは、高品質で信頼性や安全性が市場で高く評価された青果物産地を証明するもの。つくば市のネギは複数の品種を組み合わせることで、一年を通して高品質のネギを出荷できるよう生産体制を組んでいるのも特徴的。市南部の茎崎地域を中心に市全体で生産が盛んです。品種にもよりますが、多くの生産者が化学肥料を抑え、減農薬に努めています。つくば市のネギは葉の緑の濃さと白い部位の長さが特徴的で、生だとシャキッとしていて、加熱すると柔らかくなると評判。東京市場からも引っ張りだこのつくば市が誇る青果です。

ブルーベリー

平成11年に「ブルーベリーシティ宣言」をしたつくば市は、日本三大ブルーベリー生産地とも呼ばれることもあるいち早くブルーベリーに取り組んだ産地。日本で初めてブルーベリーマイスターとなった生産者がおり、大粒の食べ応えのあるブルーベリーとして有名です。現在では市内に30を超えるブルーベリー農園が点在。6月~8月にはブルーベリーの摘み取り体験も楽しめます。ブルーベリーは品種も多く、寒冷地でよく育ち大粒で爽やかな酸味が特徴のハイブッシュ系と温暖な地域で育てられ甘味の強いラビットアイ系があり、品種のバリエーションも豊富だといわれています。加工品も多く、お菓子やジャムなど多様な品揃えも魅力です。

常陸牛

茨城県が誇るオリジナル銘柄和牛。日本を代表する和牛である松坂牛や神戸牛、近江牛と同じ但馬牛系国産黒毛和牛を限られた優秀な生産者のみで育てたのが常陸牛です。28ヶ月から33ヶ月もの間、丁寧に育てた牛の中でもAB4・5等級で常陸牛協会が認定した牛肉だけが常陸牛として市場に供給されます。つまり、肉になった状態で高品質なものだけが常陸牛を名乗れるのです。そんな常陸牛の生産者の中でも優れた生産者がつくば市で活躍。中には農林水産大臣賞を受賞した名人級の生産者も。つくば市は美味しい和牛の生産地でもあります。

チョウザメ

日本では珍しいチョウザメは皇魚とよばれ、ヨーロッパなどでは昔から高級魚として親しまれてきました。そのチョウザメの卵を塩漬けにしたものが、世界三大珍味の一つキャビアです。全国各地で話題の淡水養殖魚ですが、全国に先駆けて本格的なチョウザメの養殖に本格着手したのがつくば市内の業者でした。筑波山の安定したきれいな伏流水を活用して育てられたチョウザメはキャビアだけでなく、その身も美味。刺身ならフグのようなコリコリとした歯ごたえが、熟成することで旨味が増して極上の白身の淡白な旨味が自慢です。もちろんキャビアも国産ならではの低塩・無冷凍など、産地ならではの新鮮さと高品質なものが揃います。 ※写真は桜川市で加工された商品を掲載させていただいております。

アスパラガス

生産量は決して多くないつくば市のアスパラガスですが、その優れた鮮度と高い品質で都内でも高い支持を受けています。元々ヨーロッパ原産のユリ科の野菜で旬が春と夏の2回あります。春どりのアスパラガスは3月中旬から5月一杯、夏秋どりは7月~10月に収穫されます。特に春どりのアスパラガスは500円玉くらいの太さになるものもあるのだとか。直売所等で新鮮なアスパラガスに出会ったらぜひ生で食べてみてください。産地ならではの贅沢な食べ方です。エグ味がなく、ジューシーでフレッシュな甘さに驚くはずです。アスパラガスは鮮度が良ければ良いほど美味しい野菜。ぜひ採れたての美味しさを味わってください。

ぶどう

あまり知られていませんが、シャインマスカットはつくば生まれ。つくば市ではシャインマスカットをはじめ代表的な巨峰等多くのぶどうが生産されており、ぶどう狩りが体験できる農園もあります。2017年にはつくばワイン・フルーツ酒特区に認定され、ワイン用のぶどう生産も盛んです。ヨーロッパ系の代表品種や温暖な日本での栽培に期待されている品種、日本独自の品種など14品種を超えるワイン用ぶどうが栽培されています。「日当たりの良い筑波山の南面と筑波颪(つくばおろし)と呼ばれる優しい山風が、美味しいワイン用ぶどう作りには欠かせないんだ」と語るのはつくば市でワイン用ぶどうを生産する農家の皆さん。茨城県第1号の農園ワイナリーもあります。

小麦(ユメシホウ)

つくば市内に研究所を構える国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構が開発したパン用小麦「ユメシホウ」。従来、関東地方で作られる小麦はパン用には不向きとされてきました。しかし、このユメシホウは温暖な地域を好み、たんぱく質を豊富に含んだ小麦でそれがパンなどに特徴を出してくれるようです。このユメシホウはつくば市でも生産され、パンだけでなく麺や製菓にも適しており、現在は中華麺や生パスタ、たこ焼きの生地に活用するお店もあります。そんなユメシホウで作られたパンの特徴は噛むほどに小麦の旨味が口いっぱいに広がるのだとか。しっかりとしたモチモチの特徴は人気があります。