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特別記事:「ワニナルフェスvol.1」が開催されました!

# スペシャリテ

こんにちは、Farm to Table つくば編集部です。
さて、今回は合同会社ワニナルプロジェクトが主催するワニナルフェスの紹介です。ワニナルフェスは、家族みんなで楽しめる“農業×クリエイティブ×スポーツ”をコンセプトにした体感型マルシェで、5月20日のvol.0に続き2回目となる「ワニナルフェスvol.1」が9月23日に大清水公園(つくば市)で開催されました。

ワニナルプロジェクトは異色の経歴を持つ2人が立ち上げた農業活性化プロジェクト。その1人が広告デザイナー兼ブルーベリー観光農園を経営する青木真矢さん、そしてもう1人が元Jリーガーで現在はサッカースクールを運営する近藤直也さんです。活動の根源にあるのは「農業で地域を盛り上げたい」という強い思い。同社は市内で活躍するさまざまな農家との出会いで得た知見をもとに、新規就農を志す人と既存農家・地域をつなぎ、地域全体が盛り上がることを目指しています。

同社が主催するワニナルフェスは、つくば市の農業を軸に、アスリートとのスポーツ体験や野外ライブ、ワークショップなど、さまざまなジャンルを巻き込み、まさに輪になる(ワニナル)ことを目指すイベントです。集まった農家が自慢の野菜を販売したり、農家同士が情報を交換したり、農家と消費者が会話をしたり…。普段顔を合わせる機会が少ない生産者と消費者の互いの顔が見える場となっています。

当日は、つくば市を中心に県内外の農家や飲食店など60軒以上が参加。旬のレンコンや新米、きのこ、葉物野菜など農家自慢の農作物はもちろん、ハンドメイド服や絵本の店舗、つくば市近郊を中心に出店しているキッチンカーが数多く並びました。

つくば市主催のスポーツイベントとのコラボレーションで多くの来場者でにぎわいを見せた

【農家が主役になれるフェス】
ワニナルプロジェクト代表の青木真矢さんはこのイベントを「農家さんが主役になれるフェス」と位置付けます。「つくば市の農家さんは、驚くような工夫・こだわりを持って農業に取り組んでいる人が多いんです。土壌改良ひとつとってもその手法は十人十色。どんな信念から生まれるこだわりなのか、どんな人が育てているのか、このイベントを通じてそれを知ってもらってその農家さんのファンが増えたらうれしいです」。

「イベントごとに農家さんが多くの人との交流を深めていると肌で感じています」と青木さん

自身は結婚を機に関西からつくば市に移住。現在はブルーベリー観光農園のオーナーでもあります。「農園を始めるに当たり、市内の農家さんをとにかく訪ね歩きました。出会う人それぞれの考え方・思いがあり、知見が広がりましたね。そして、出会う人の面白さに気づきました。自慢の野菜やそれを育てる農家さんを知ってもらうには情報発信が必須です。そこで僕がこれまで取り組んできた情報発信の能力(=クリエイティブ)を発揮し、デザイン性の高いロゴを制作したりSNS運用のスキルを駆使したりして個々のブランディングのサポートを始めたんです」。

「つくば市に来て感じたのは移住者がとても多いということ。移住すると地域住民との関係性を構築することが障壁になることってありますよね。『農業×クリエイティブ』はその壁を乗り越える架け橋になると感じています。つくば市の良さをもっと発信して、住み続けている人も、移住してきてくれた人も、これからも住み続けたい・繋がっていきたいと思えるまちづくりに貢献したいです」。

同社の共同代表・近藤直也さんはつくば市出身。プロサッカー選手だった経験から「食材にこだわることの大切さを訴求したい」と語ります。

「一度つくば市を離れたからこそわかる地域の良さを探求していきたいです」

近藤さんは「農業とスポーツ、一体どんな関係が?と聞かれることが結構あります。私たちの体を構成するのは食べ物です。特に激しい運動をするスポーツ選手にとって食は非常に重要なポジションを占めています。ベストパフォーマンスを発揮するために、栄養価が高く、かつ、新鮮で旬の食材を体に取り入れたいですよね。誰がどんな思いで作った農作物なのか、まさに『顔が見える』ことこそが良い体づくりに繋がると思うんです」と強調します。

続けて「努力した分だけ成果に繋がるところもスポーツに通じる部分があります。苦しくても、大変でも、自分がどれだけ工夫できるか、追求できるかによって結果が大きく左右されます。スポーツを通じて農業との共通点を発信するとともに、つくば市を盛り上げていきたいです」と話しました。

【つくば市から、全国・世界と戦える農業を】

農家のコミュニティによって地域を盛り上げるワニナルプロジェクトの思いに賛同した農家の輪は、イベントを開催するごとに広がりを見せています。マルシェなどへの参加に大きな意義を見出すのは、葉菜類の有機栽培に力を入れる株式会社ふしちゃん(つくば市)。伏田直弘社長は「栽培しているだけでは、どんなお客様が自分たちの野菜を購入・食べているか実感することは難しいですよね。お客様と接することで、自分たちが作る野菜が誰に届いているのか肌で感じることができます。イベントに出店することは社員教育に繋がっているんです」と語ります。

「普段お客さんと話す機会が少ないので新鮮です」と語る若手社員。

つくば市は人口の約1割が研究に従事し、約150の研究機関を持つ研究学園都市です。伏田社長は「研究熱心な人が集まるつくば市でなら、世界と戦える農業を目指せると思っています。イベントを通じて各出店者が来場者に自社の商品を知ってもらうとともに、農業がこれからの世界を支える職業であることを再認識するきっかけになると思います」と意気込みを語りました。

【次に繋がる情報収集の場】

株式会社いのちの郷・高橋直也さんは青木さんや近藤さんの人柄に惚れて出店を決めた一人です。高橋さんは「畑作業をしていると、なかなか外からの情報が入ってきません。今回のようなイベントに出店することで、農作物の育て方に関するノウハウはもちろん、商品の販売方法や加工法などさまざまな観点から農業を見ることができます。農業という同じ仕事に従事する人と交流できますし、お客さんの顔も見えて、とても有意義な時間を過ごすことができますね」と出店の意義を話してくれました。
続けて「次のイベントではどんな農家さん・お客さんと出会えるかが楽しみです。それまでに新しい農法や商品を開発したいです」と抱負を語りました。

丹精込めたレンコンをとっておきの笑顔で販売する高橋さん。イベントを通じて販路拡大に成功したという。

「ワニナルフェスvol.3」は11月25日土曜日に研究学園駅前公園にて開催予定です。農家、キッチンカー、雑貨屋、スポーツ体験などジャンルを問わずさまざまな出店者と交流できるチャンス!回を重ねるごとに楽しく愉快な来場者との繋がりが濃くなりますよ。その季節にしか手に入らない農作物の販売もありますのでお楽しみに!

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